新人会計士が絶対に読むべき本 『ストーリー形式で楽しく学ぶ 経理部員1年の仕事』
公認会計士試験を合格した新人会計士(特に監査法人勤務の新卒会計士)にまず読んでほしいのが、
『ストーリー形式で楽しく学ぶ 経理部員1年の仕事』
(出版社:日本経済新聞社、編:新日本有限責任監査法人)
なぜならこの本で、会計士試験では勉強しない、でも仕事をする上で絶対に知っておくべき事が分かりやすく学べるからです。
以下では、なぜこの本をまず読むべきかを紹介していきます。
1.公認会計士試験で学んだ知識だけでは実務で通用しない
会計士試験を合格した新人会計士の知識量はとてもすごいです。
- 複雑なリース会計や退職給付会計の仕訳をパターン別に理解している
- 難しい連結会計の仕訳とその理論的背景を諳んじれる
- 各会計論点の現在の会計処理が採用されている理由を論理的に説明できる
- 法人税の計算パターンを暗記していて余裕で問題が解ける。なんなら端数切り捨ての単位まで完全に頭に入っている etc
上場企業の部長・課長クラスよりも体系的に会計・税務の知識を細かいところまで熟知していると思います。
でも、その公認会計士試験では、実際の財務諸表が会社のどの部門で、どんな人たちが、どんな時期に、どのようにして作成されているかは勉強しません。
なので、ほとんどの新人会計士は財務諸表作成の実務をほとんど知らない状態かと思います。
そんな状態では、実際クライアントと会話をしても全く太刀打ちできないはずです。
例えるなら、テニスのプロ選手や、歴史、世界4大大会の細かなまめ知識についてむちゃくちゃ詳しいけど、実際にラケットを握ったこともない人が、毎日試合をしまくっているプロ選手と試合をするようなものです。まともにラリーすらできないでしょう。
クライアントの担当者に質問に行くものの、
- システムって何?
- 自動仕訳ってどういうこと?
- 消し込み作業が大変っていうけど何?
- 小切手とか手形見た事ないからイメージできません。
- そもそも何を言ってるのか全く分からないです。。
- どう質問した良いかすらも分からない
とお手上げ状態に。。
こうならないために、最低限の実務をインプットしておくことが大切です。
2.この本はとにかく分かりやすい
経理実務の本はいろいろあると思いますが、
この本は新人向けに書かれておりとにかく分かりやすい!
ストーリ形式なのでスラスラ読めます。しかもQ&A形式のようになっていて、先輩から教えてもらうような書き方になっているため、主人公になったつもりで、ふむふむと読み進められます。
また、イラストも多いため実際にイメージしやすいところも良いです。
社印や小切手、手形なんかは特に新卒だと見たことないと思います。初めて実査に行く前にはとても重宝しますよ。
3.この本はちょうど良いカテゴリー分けでしかも詳しい
この本は以下のカテゴリーに区分されています。
- 日常業務(現金出納の業務など)
- 仕訳業務(どのようにして仕訳がきられるのかなど)
- 決算業務(決算はどのようにして行われるのかなど)
- 開示業務(開示資料はどうやって作られるのかなど)
- 監査対応業務(監査対応ってどんなものなのかなど)
1年間の経理部の業務が網羅的にカテゴリー化されており、新人会計士がクライアントに訪問するまでにまず知っておきたい知識が全て纏まっていると思います。
しかも、上場会社の経理業務をイメージして作られているため、内容も深くて広い。
また、タイトルからはとても幼稚な印象を受ける方もいるかも知れませんが、書かれている内容はかなり詳しいです。
新卒会計士に限らず社会人経験のある公認会計士試験合格者の方でも十分ためになります。
さすが大手監査法人が出版するだけありますね。
ぜひ会計士1年目のうちにこの本を熟読することをオススメします!!